『ルック・オブ・サイレンス』が2015年初夏、日本公開

衝撃的な手法で“インドネシアの闇”を描いたドキュメンタリー映画『アクト・オブ・キリング』(2012年)の続編『ルック・オブ・サイレンス』が、2015年初夏、シアター・イメージフォーラムほか、全国順次公開されます。

「人間という存在を鋭く洞察した傑作」と賞賛されるドキュメンタリー映画『ルック・オブ・サイレンス』

ドキュメンタリー映画『アクト・オブ・キリング』は、1960年代のインドネシアで起こった100万人規模の大虐殺を、加害者たちに当時の様子を再びカメラの前で演じさせる手法で世界に衝撃を与えた作品です。

その続編に当たるドキュメンタリー映画『ルック・オブ・サイレンス』は、同じく1965年の軍事クーデター、いわゆる「9・30事件」を契機に起こった100万人規模の大虐殺の中、兄を殺害されたアディを中心に、被害者の側から捉えた作品。

アディは加害者たちが虐殺行為を誇らしげに語る映像を見て、「殺された兄や、今も怯えながら暮らす母のため、彼らに罪を認めさせたい」と願い続け、2012年にオッペンハイマー監督に再会すると、自ら加害者のもとを訪れることを提案。

しかし、加害者たちは今も同じ村に住む権力者であり、知人たちです。

そこで、眼鏡技師として働くアディは、「無料の視力検査」を行いながら、徐々にその罪に迫る・・・。

そこで、アディが目にするのは、加害者の誰もが、虐殺を自分の責任とは捉えていないという事実。“責任なき悪”心理的メカニズムが浮かび上がってきます。

映画『ルック・オブ・サイレンス』予告編(Youtube動画ファイル)

2014年ヴェネツィア映画祭・5部門制覇など世界が絶賛

同作品は、2014年のヴェネツィア映画祭で「前作を上回るほどの傑作」と批評家と観客から大絶賛され、審査員大賞ほか5部門を制覇しています。

その後もトロント、ベルリンなど世界の映画祭に招待され、前作を上回るペースで早くも30の賞を受賞する話題作。2015年7月に全米でも公開されますが、来年度のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞の有力候補になることでしょう。

特典付『ルック・オブ・サイレンス』前売鑑賞券も発売されています。

『ルック・オブ・サイレンス』作品データ

タイトル
邦題:ルック・オブ・サイレンス / 原題:The Look of Silence
監督
ジョシュア・オッペンハイマー
製作
2014年、デンマーク・インドネシア・ノルウェー・フィンランド・イギリス合作、インドネシア語、103分
配給
トランスフォーマー
公式サイト
ルック・オブ・サイレンス
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